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CBD(カンナビジオール)の副作用。安全性やリスク対策について解説。


こんにちは。ロキ(@rokiroki_univ)です。


今回はCBD(カンナビジオール)の副作用や安全性について取り上げます。

CBDオイルやCBDリキッド、vapeなどの製品を利用する際も副作用を気にする方は多いかと思います。

以下が今回の内容となります。

今回の内容
●CBDはハイになるような精神作用がなく、様々な効能を持つ。

●CBDは依存性がなく、忍容性も高い。

●CBDの副作用として取り上げられる有害事象について。
・CBDの二相性と副作用。
・CBDの肝臓への負荷と副作用。
・CBDの薬物間相互作用の一例と副作用。

●CBDの不適切な利用によって起こりうる副作用。

●長期的なCBDの使用による副作用に関しては研究が不足している。

CBDは体内のバランス・恒常性を維持するのに役立ち、体を自ら癒すのを助けます。

このような性質から、CBDは様々な疾患に対して治療効果を持つ可能性があると言われています。

では、「CBDって本当に安全なの?」という疑問に対して、お答えして行こうと思います。

CBDはハイになるような精神作用がなく、様々な効能を持つ。

CBDはカンナビジオールの略で、大麻草由来の成分であるカンナビノイドの一種です。

大麻由来と聞くと、馴染みのない人は「本当に大丈夫なの?」と感じるのがふつうだと思います。

ところが、CBDはハイになるような精神作用がなく、あらゆる治療効果を持つ可能性が報告されてきているため、非常に注目されています。

日本でも合法的に購入することができるため、徐々に注目されてきています。

なお、CBDではなくTHCというカンナビノイドが多幸感をもたらす作用を持ち、大麻がハイになるという印象を造りあげています。

ただし、THCにも大麻そのものにも多くの誤解があります。例えばTHCは癌患者の苦しみを和らげ、食欲を促して睡眠障害を改善します。同時に、多幸感が癒しの効果をもたらし自然治癒力を向上させます。

さらにTHCは癌細胞を死滅させ、健康的な細胞を傷つけなかったという事例さえあります。すなわち大麻由来のカンナビノイドは未だ計り知れない可能性に満ちた物質なのです。

大麻やTHCに関する誤解については別の記事で取り上げるとして、ここではCBDについて詳しく見ていきたいと思います。

さらに、CBDが持つ医療効果が明らかになってきたのは2000年代に入ってからです。そして、今もなお研究は発展途上です。

まずは、CBDの主な効能についておさらいしておきましょう。

CBDの主な作用
●抗酸化作用
●抗炎症作用
●神経保護作用
●抗がん作用
●抗不安作用
●鎮痛作用
●抗けいれん作用
●制吐作用

これだけ有益な効果が上がると、副作用が気になることでしょう。

もちろん、研究途上でもあるのでこれらすべての効果がはっきりと証明されたわけでありませんが、これらの効果の可能性を示すエビデンスが増えてきています。

CBDは依存性がなく、忍容性も高い。

まず、前述のようにCBDはハイになる精神作用はありません。

さらに、依存性も認められず、安全性が高いと言われています。

WHO(世界保健機関)は「CBDは公衆衛生上の問題も濫用の危険性もない」と明言しています。

私自身も利用して、依存性や離脱症状は全く感じませんでした。

ロキ
生活リズムの改善にも役立つし、やめたければいつでもやめれるから安心や。

また、幅広い用量で忍容性が良好であるとも示されています。※用量に関する影響は後ほど詳しく説明します。

このようにCBDは依存性もなく、安全性においては通常の処方薬などでは到底敵わないと言われています。

ではリスクは全くないと言えるのでしょうか。

CBDの副作用として取り上げられる有害事象について。

臨床研究報告などにおいて、その他の軽度な副作用は報告されています。

以下が起こりうると報告されている主な副作用です。

傾眠・眠気不眠・覚醒便が緩くなる下痢・腹痛食欲減退、体重の変化、無気力・倦怠感、発熱、吐き気・嘔吐、かゆみ、アレルギー、疲労感、心拍数増加、鎮静、低血圧、抗凝血

しかし、これらは非常に軽度で一時的なものがほとんどです。

他の安全性の高い処方薬に比べてもこれらは軽度であり、因果関係が曖昧でCBDの副作用と判断するのが難しいものもあります。

「便が緩くなる」に関しては、有効な効果として便秘の改善に効いたとある研究論文もあります。傾眠や食欲抑制に関しても同様に有益な効果と捉えられることがあります。


なかでも特に信ぴょう性があり、実際にCBDのみを服用して私も感じたことのある症状は「傾眠・眠気、不眠・覚醒、便が緩くなる、下痢、食欲減退」などで、感じるのは稀で、気にならないくらいの軽度な症状でした。


一方でそのほかの症状について私は少し疑問を持っています。

なぜなら、これらの副作用に関しては以下の三つを理解しておかないと誤解が生じるからです。

・CBDの二相性

・CBDの肝臓への負荷

・薬物間相互作用

それぞれについて説明していきます。

CBDの二相性と副作用。

CBDの二相性とは、例えばCBDの服用量が適量もしくは低用量の場合、「不眠・覚醒、活力増進、発熱抑制、吐き気抑制、肝臓保護」などの効果が起こりうるが、CBDが過剰量の場合は「傾眠・眠気、無気力、発熱、吐き気、肝臓障害」などの症状が生じうる、といった二面性のある性質のことです。

つまり、適量を見つけることで副作用を有益な効果に置き換えることができるといえます。

二相性

不眠・覚醒 ⇔ 傾眠・眠気
活力増進 ⇔ 無気力
発熱抑制 ⇔ 発熱
吐き気抑制 ⇔ 吐き気
肝臓保護 ⇔ 肝臓障害

これらはすべて証明されているわけではありませんが、CBDに二面性があるということに関しては有名な話です。

CBDの肝臓への負荷と副作用。

つぎにCBDの肝臓への負荷です。これは高用量のCBDを摂取すると、他の健康食品や嗜好品、薬などと同じように肝臓に負担がかかり副作用が生じる可能性があります。

肝障害の代表的な症状には「腹痛、食欲減退、体重の変化、無気力・倦怠感、発熱、吐き気・嘔吐、かゆみ」などがあります。

CBDの肝臓への負荷に関しては詳しくは後述しますが、用量が多いとこれらと関連する可能性があると言えます。つまりCBDの直接的な副作用というよりかは肝障害の副作用といえるかもしれません。

なお、CBDは低用量もしくは適量だと肝再生を促進する効果が指摘されています(CBDの二相性)。

臨床研究などで報告されている服用量は思っている以上に高用量です。現時点で私たちがこのような高用量を使用するにはそもそも経済的に現実的ではありません。

また、肝臓に異常が起こるほどの量を服用しても、服用が安定したり量を減らしたり断薬したりすると徐々に正常に戻ったという可逆性が研究によって報告されています。

CBDの薬物間相互作用の一例と副作用。

薬物間相互作用に関しても詳しくは別で取り上げますが、簡単に言うと、てんかん治療などの臨床研究でみられる副作用のほとんどが薬物間相互作用により発現もしくは助長されている可能性があると考えられるということです。

例えば、抗てんかん薬は「肝障害、傾眠、無気力、睡眠障害、行動障害」などの副作用が考えられ、このような副作用がCBDとの相互作用で助長される可能性があります。

以下の非常に有名な難治性てんかんにおける二つのCBDの臨床研究はいずれも抗てんかん薬と併用してCBDを使用しています。※これは抗てんかん薬をやめてしまうと人によっては死の危険があるなどのやむをえない問題があるためです。
参考文献)
N. Engl. J. Med. 2017, 376, 2011.
N. Engl. J. Med. 2018, 378, 1888.

ここに挙げられている副作用は純粋なCBDのものではなく、抗てんかん薬の影響を受けているものだと言えるでしょう。



なお、これら副作用が生じたとしても、早期段階で用量を変えれば問題ないというのが多くの専門家の意見です。

CBDの不適切な利用によって起こりうる副作用。

そのほかに関しては、結論を言うと「基本的には」副作用は見られません。

「基本的には」というのは、例えば以下のような場合は除きます。

・1度に使用する用量が異常に多い

・飲み合わせの悪い他の薬を使用している

・製品の製造過程に問題があり品質が悪い

・使用方法が不適切である

これらについて、ひとつずつ見ていきましょう。

1度に使用する用量が異常に多い。

ひとつ目の場合は例えば、研究目的でCBDの急性毒性などの効果を見たいが為に多めの量を設定している、ということなどが当てはまります。

ですので、論文に報告されている有害作用を結果だけを見て鵜呑みにするのは間違いです。

また、そもそも研究で使用される量は、研究者にとってわかりやすい結果になるように多めの量が設定されることが多く、これが実験バイアスなどになります。※またわかりやすくするために表現を誇張したり、比較を載せなかったりといった論文の投稿バイアスなどもあり、バイアスは挙げたらきりがありません。


なお、通常の効果の範囲内においては、非常に高用量のCBDを摂っても体機能は損なわれないことが研究によって示されています。

具体的にはヒトへのCBD1500mg/日の投与に耐えられるとされています。
参考文献)
Cannabis Cannabinoid Res. 2017, 2(1), 139.
Curr Drug Saf. 2011, 6, 237.

飲み合わせの悪い他の薬を使用している。

前述したように処方薬などを服用している方はCBDとの薬物間相互作用に注意しなければなりません。

つまり薬との併用や飲み合わせは注意が必要です。

CBDは高用量だと医薬品の多くを代謝しているシトクロムP450ファミリーという肝酵素の働きを阻害します。そのため、処方薬の作用持続時間が長くなり、その効果や副作用が強くなってしまいます。

したがって、処方薬がある場合は医師と相談し、CBD使用時の血中薬品濃度をモニターするのがベストです。


有名な話に、処方薬を摂取している間にグレープフルーツを食べるのを控えるべきかを医師に聞いてみる、というものがあります。

グレープフルーツを控えるように言われたら、その薬とCBDは相互作用を起こす可能性があります。

なぜなら、CBDはグレープフルーツと同様に医薬品と相互作用を起こす性質があるからです。

逆にこの効果を逆手に取ることもあります。

つまり、CBDや大麻はオピオイド系の鎮痛薬や抗てんかん薬などに対して相乗効果を与え、これらの減薬にも役立つことが示唆されています。

実際に、抗てんかん薬などはCBDと先述のような相互作用を起こす可能性があると言われています。すなわちCBD自体の抗てんかん作用に加え、CBDが抗てんかん薬の代謝を阻害して抗てんかん薬の効果を高めうるということです。

ただし、これにはリスクがあります。基本的には薬との併用は副作用を助長する可能性があるので危険ですし、そう考えておくのが無難です。必ず医師と相談してから判断しましょう。

CBDと相互作用を起こす可能性のある医薬品の一部を以下に紹介します。

・ステロイド

・抗ヒスタミン薬

・免疫抑制剤

・ベンゾジアゼピン

・抗生物質

・麻酔薬

抗精神病薬

抗うつ薬

抗てんかん薬

・非ステロイド系抗炎症薬

これらに該当しなくても、危険な相互作用があるかわからない医薬品などを利用している場合は必ず医師と相談しましょう。

より詳しく知りたい方は「CBDと併用できない薬とは。」を参照ください。

製品の製造過程に問題があり品質が悪い。

原料の種類や抽出方法、製造過程などによっては別の有害作用が起こりうることは理解しておかなければなりません。

この点に関しては以下の記事ですべて解説しているので参照ください。

使用方法が不適切である。

使用方法に関しては、購入する製品によります。

例えばTHCはほぼ除去されているが、THCAを含有するCBDフルスペクトラムオイルなどの場合は、加熱すると脱炭酸が起こりTHCAはTHCに容易に変換されるため、実質THCの副作用の影響も考えられるようになってきます。

100℃の加熱でほぼ脱炭酸が起こるので、CBDオイルを加熱調理する場合や気化するvapeなどを利用する場合では注意が必要です。

なお、THCAは「ハイ」にならずにTHCの良い面を享受できるカンナビノイドと言われています。

また喫煙や気化などの燃焼反応が起こる可能性のある使用方法ではリスクが高まることや、局所投与なのか、舌下投与なのか、肝臓を通るのかなど、摂取方法でも副作用は変わってくるでしょう。

購入する製品の成分や使用方法などはしっかりと考えて利用しましょう。素人には気化吸入よりもオイルの舌下投与などのほうが無難だと私は考えています。

長期的なCBDの使用による副作用に関しては研究が不足している。

CBDの長期使用・慢性暴露の影響は十分に研究されておらず、肝臓や生殖能力への影響、遺伝毒性など、いくつかの副作用の兆候があります。

最近のいくつかの動物実験でも肝毒性および生殖毒性に関する懸念を提起しています。

特に肝臓毒性などの副作用に対する医学的監視は重要であり、法などが整備されていない時点においては注意が必要です。※肝毒性は薬物間相互作用にも深く関与しています。


まとめると、今後特に注目すべき有害事象に関する研究は以下のものが主にあるでしょう。

・肝臓毒性、薬物代謝相互作用

・生殖能力低下などの生殖毒性

・細胞毒性、遺伝毒性

ただし、三つ目の遺伝毒性に関しては否定されている研究も多くあります。そのため、上の二つが特に注目すべき事象になるでしょう。

CBDの研究はいまだ発展途上なのです。


なお、これらも含めた考えうる副作用に関しては、正しい知識と正しい用法用量でCBDを使用する場合は問題ないと私は考えています。

CBDで得られる恩恵は非常に大きく、リスクとの差を考えるとこれほど優秀な物質はなかなか見当たりません。

皆さん、アルコールやタバコ、サプリメント・健康食品などを使用したことはありますか。いずれも発がん性が認められていたり、肝毒性や肺毒性が示されています。

勿論、リスクがあるのは薬もそうで、SSRIなどの抗うつ薬は生殖毒性や性機能障害が明らかになっています。

結局は有益と考える効果とリスクの差を考えて私たちは判断しているのです。


これら、今後特に注目すべき有害事象に関する研究は別の記事で取り上げます。興味を持っていただけたらぜひご覧ください。

いかがだったでしょうか。

CBDは幅広い医療効果や価値を持つ可能性があり、安全性が高く有益であることは間違いありませんが、CBDには危険性が全くないと誤った主張をする人もいます。

特に、最近はそのような内容の主張がネット上や書籍で多く散見されます。

しかし、どんなものでも必ず現実的なリスクが伴います。

このような議論を経て、現在の医薬品や嗜好品、健康食品、化粧品などは発展してきました。

そのことを理解して今後付き合っていくことが大切なのかもしれません。


ロキロキカウンセリングでは実際の研究のエビデンスや進行状況をみて、誠意をもって正しい情報を発信していくことを心がけています。参考にしていただけたら幸いです。

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ここまで見ていただきありがとうございました!

参考書籍。