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CBDの肝臓への副作用について。用量による健康被害を考える。


こんにちは。ロキ(@rokiroki_univ)です。


CBDの副作用には肝毒性に関与するものが指摘されています。

しかし、これはCBDの使用に対して不安を煽っているのではなく、カフェインやアルコール、サプリメント、他の薬などと同様に用法・用量を守ってCBDを利用する重要性を提言しています。

なぜなら、CBDは多くの面で私たちに利益をもたらしてくれることがわかっており、副作用が少なくて安全性が高いのも事実だからです。

今回の内容は以下のようになります。

今回の内容
●CBDによる肝臓障害の急性毒性試験。

●CBDによる肝臓障害の亜急性毒性試験。

●CBDによる肝臓障害に関連する幅広い遺伝子の調節不全。

●遺伝子発現の二相性と予想されるCBD誘発性肝障害について。

●健康被害を想定した用量範囲の設定について。

つい最近の研究でもCBDは肝障害のリスクをもたらしうることを示しており、それに関連した薬物間相互作用の可能性は非常に高いということが明らかになってきています。

従って、肝毒性に関する臨床研究などは、安全にCBDの用法・用量を決めるためにも非常に重要で必要な情報となってきます。

今回は2019年に報告された、マウスに対してCBDを投与した際の肝毒性を調査した研究を紹介していきたいと思います。
参考文献) Molecules 2019, 24(9), 1694.

結論から言うと、毒性発現にはかなりの量が必要なため、悪い結果ではありませんでした。

では、これから詳しく解説していきます。

考察した結論がはやく見たい方は、最後の「健康被害を想定した用量範囲の設定について。」を参照ください。

CBDによる肝臓障害の急性毒性試験。

まずはマウスへのCBD投与による、肝臓における急性毒性試験についてお話します。

急性毒性試験では一回の投与で生じる有害事象を観察するので、非現実的な量を投与することがしばしばあります。

今回、調査に用いられたCBDの投与量は246mg/kg、738mg/kg、2460mg/kgでした。

アロメトリーという手法により調整された尺度を用いると、マウスに対する246mg/kgはヒトに対する20mg/kgに換算することができます。

簡単に言うとマウスへの246mg/kgの投与はヒトにおける20mg/kgの投与におよそ相当すると想定する尺度です。

この246mg/kgはヒトにおける20mg/kgの等尺性マウス等価用量 MEDと表現したりします。

なお、20mg/kgは臨床研究などで推奨される最大のヒト維持用量でもあります。なお、10mg/kgおよび20mg/kgは難治性てんかん治療の最近の大規模臨床研究に利用された一日当たりの量でもあります。

これを考慮すると、マウスへのCBDの投与量246mg/kg、738mg/kg、2460mg/kgはそれぞれヒトに対して20mg/kg、60mg/kg、200mg/kgの投与量になります。

CBD高用量単回投与により発現した急性毒性。

2460mg/kg (MED 200mg/kg)の投与では、明らかな体重減少とともに以下のような肝毒性を裏付ける明確な証拠が示されました。

酸化グルタチオンの肝臓内濃度の増加

ALT、AST、総ビリルビンの上昇

なお、マウスへの2460mg/kgの投与はヒトでの200mg/kgと換算すると、体重50kgのヒトが10000mg(10g)のCBDを一度に摂取することに相当します。

これは、現実的にはありえませんが、潜在的な副作用を理解する上で役立ちます。

ちなみに5%CBDオイル200mlを一回で服用するのに相当します。5%CBDオイル10mlをおよそ5000円で購入できるとすると一度で10万円です。

CBD高用量単回投与による肝臓障害由来と考えられる観察事項。

738、2460mg/kgの投与において4、5時間後に強い食欲減退倦怠感・無気力を発症しました。

これらは肝臓障害に現れる典型的な症状
なため、肝臓障害によるものと言えるでしょう。

また、246、738mg/kgの投与で肝毒性の可能性を示す結果として肝臓と体重の比率の増加が見られました。

CBD高用量単回投与による肝酵素への影響。

さらに、これらCBDの投与により薬物の代謝に関わるシトクロムP肝酵素の有意な増加が見られました。

特にこれらの増加は738、2460mg/kgの投与において顕著でした。

これはアルコール飲料に含むエタノールや解熱鎮痛薬のアセトアミノフェン、抗てんかん薬のクロバザムなど、多くの物質の代謝に関与する酵素にCBDが影響を及ぼす可能性を示しています。

すなわち、薬などとの飲み合わせには十分な注意が必要です。

ただし、マウスでの結果をどのくらいヒトに置き換えられるかはわからないのも事実です。

なお、この研究で使用されたCBDはCBDが豊富な大麻抽出物であり、THCがCBDに対して1:34ほどで含まれています。

CBDによる肝臓障害の亜急性毒性試験。

続いてCBDの肝臓における亜急性毒性試験についてです。

これは比較的高用量のCBDを毎日反復投与して効果を観察する試験です。

調査に用いられたCBDの投与量は一日当たり615mg/kg、184.5mg/kg、61.5mg/kgでした。それぞれヒトに換算して、およそ50mg/kg、15mg/kg、5mg/kgの投与量になります。

CBD高用量反復投与により発現した肝毒性。

615mg/kg (MED 50mg/kg)の投与量では単回投与の忍容性は高かったが、繰り返し投与されると肝毒性を示しうるということが10日間の亜急性試験でわかりました。

重度の無気力食欲不振体重減少がみられ、肝障害によるものだと考えられます。

ここでは以下のような肝毒性の兆候が観察されました。

ALT、AST、総ビリルビンの上昇

肝臓と体重の比の増加

肝細胞質の腫脹

CBD中用量反復投与による観察事項。

184.5mg/kg (MED 15mg/kg)以下の投与量では肝障害に関連する反応は観察されませんでした。

ただし、184.5mg/kgで肝細胞質の腫脹の病巣がしばしば検出されました。

なお、61.5mg/kg (MED 5mg/kg)では肝細胞質の腫脹の病巣も見られませんでした。

てんかん発作の最近の臨床試験ではCBD20mg/kgの継続投与により患者の5〜20%で肝障害の兆候を表す肝臓酵素の増加が観察されました。上のマウスによる結果はこの観察結果とおよそ辻褄が合います。

なお、シトクロムP肝酵素における各種類の酵素レベルの反応の詳細は文献の図2(急性試験)および図5(亜急性試験)にあります。
参考文献) Molecules 2019, 24(9), 1694.

CBDによる肝臓障害に関連する幅広い遺伝子の調節不全。

もうひとつの重要な発見は、CBDの投与によって肝毒性に関与する50以上の遺伝子の調節不全がもたらされるということです。

重度の肝臓損傷に関連する植物性栄養補助食品OxyELITE-Proなどでも、このような幅広い範囲の応答は見られませんでした。

なかでも特に懸念されることとして、この結果がCBDの抗酸化作用を否定する根拠となりうるということです。なぜなら、酸化ストレスに関連する遺伝子の応答能の増大が観察されたからです。つまり、これによりCBDに対する強力な酸化促進が推測されます。さらに観察された酸化グルタチオンのレベルの上昇はこのことを裏付ける結果と言えます。

遺伝子発現の二相性と予想されるCBD誘発性肝障害について。

また、遺伝子のなかには二相性もみられました。

ここで言う二相性とは、CBDの投与量が少ない時と多い時では発現する効果が変わり、その効果は対称的になることを示します。

例えば、コレステロールやステロイドホルモン、ビタミンDの生合成に関与する遺伝子Lssの発現は、低用量(246mg/kg、738mg/kg)のCBDで増大し、高用量(2460mg/kg)で実質的に減少しました。

※CBDの二相性は他にもいくつか示されており、わかりやすい例が、低用量だと覚醒作用、眠気を除く効果があり、高用量だと鎮静作用、眠気を引き起こす効果があるということです。

さらに、CBD誘発性肝障害は胆汁うっ滞性肝疾患である可能性を指摘しています。

胆汁うっ滞とは、肝細胞で作られた胆汁の分泌障害があり、体内に胆汁中成分が蓄積した状態のことをいいます。胆汁の生成・分泌までのいずれかの経路が障害され、胆汁うっ滞疾患をきたします。

これは急性での2460mg/kgおよび亜急性試験での615mg/kgの高用量CBD投与で見られたcdkn1aの発現増加によって考えられました。

cdkn1aの発現増加は肝再生障害を示すとも捉えられています。

逆に毒性が観察されなかった低用量のCBD投与ではcdkn1aの発現減少が見られました。

cdkn1aの発現減少は肝再生を促進します。ここでもCBDの二相性が観察されました。

これら様々な遺伝子発現の観察や総ビリルビンの上昇が、CBDによる肝障害は胆汁うっ滞性肝疾患である可能性を示唆しました。

しかし、このような仮説を確定するにはまだまだ追加の研究が必要になります。

また、今後はCBD低用量での慢性的な暴露による研究が必要であり、加えて薬物間相互作用に関しても追加の研究が必要だと指摘しています。

健康被害を想定した用量範囲の設定について。

今回紹介した研究から考察できる安全な用量設定についてお話します。

まず単回投与で急性的な肝毒性が観察されましたが、使用された用量はヒトに換算しておよそ60mg/kg、200mg/kgでした。

これらは体重50kgのヒトがそれぞれ3000mg(3g)、10000mg(10g)のCBDを一度に摂取することに相当します。

これは常識的にも経済的にもあり得ないレベルの量です。例外はわかりませんが、私たちがこのような量を摂取しようとなることはふつうありえません。

逆に言えば毒性発現にはかなりの量が必要なため、悪い結果ではないでしょう。なぜなら「毒性発現量と薬効量の差」を他の嗜好品や薬などと比較してみればCBDの優秀さがわかるからです。


次に、亜急性毒性試験についてですが、184.5mg/kg (MED 15mg/kg)以下で肝障害に関連する反応はありませんでした。

特に肝細胞質の腫脹の病巣も見られなかった61.5mg/kg (MED 5mg/kg)は一つの基準になるかもしれません。

つまり一日当たり5mg/kg以下で利用を考えるのが無難でしょう。これは体重50kgのヒトが一日250mg以下を使用することに相当します。

また、「28日間の回復期間を設け、回復期間の終わりには調査結果の多くは正常に向かっていた。」といった報告例もあり、肝障害の可逆性を示唆する報告もいくつか見られます。
参考文献)J. Toxicol. 2018, Article ID: 8143582.


最近のASD治療のための臨床研究で用いられたCBDは一日当たり平均して4~5mg/kgでした。これについては以下の記事で引用・解説しています。↓

ですが、正直5mg/kgでも多いように感じます。私はADHDやASDなどが疑われており、加えてうつ病と診断されましたが、一日当たり10~15mg (50kgの体重の人で0.2~0.3mg/kg)で十分効果があり、抗うつ薬なしで寛解に向かいました。

何なら、体の恒常性を保つことを意識することが最も重要で、それを体にしみ込ませることが大切なので、慣れてきたら調子が良い時は使用せず調子が悪い時だけ使用するほうが良いかもしれません。

離脱症状や依存性がCBDには感じられないのでこれが可能です。


勿論、効果の出る量には個人差があり、使用方法によってもそれは変わるので、その点には注意が必要です。

なお、以下の過去の記事で引用した不安や睡眠障害に対する臨床研究では一日当たり25mgの使用で、臨床研究にしては比較的低用量でした。↓

一日当たり25mgの使用は比較的報告例があり、わりと好まれる用量かもしれません。


また、以下のレビューから、一日当たり10mg~400mgのCBDを継続的に投与しても毒性を示さなかったということが分かります。
参考文献) Pharmaceuticals 2012, 5(5), 529.

ただし、300mg以上の投与で鎮静を示してしまったという報告もあるので、これらを考慮すると一日当たり300mg以下、そして5mg/kg以下を満たすのが無難でしょう。

低用量から始めるのがセオリーなので、用途にもよりますが、メンタル治療ならば一日5mg程度から始めるのが良いかもしれません。※考察しているだけで推奨しているわけではありません。

ちなみに5mgは50kgの体重の人で0.1mg/kgということになります。

以下の記事も参照することをおすすめします。↓

ただし、今回紹介した研究でも指摘されているように、今後はCBD低用量での慢性的な暴露による研究が必要であり、加えて薬物間相互作用に関しても追加の研究が必要です。

つまりこれらのエビデンスは未だ不足しており、安全なCBDの用量範囲を決定するためにも必要なことであり、重要だと言えます。




いかがだったでしょうか。

肝臓障害を引き合いに出していたずらに不安をあおるのも間違いですし、CBDはとにかく無毒で安全だと主張するのも間違いです。

CBDは良い効果についても悪い効果についてもまだまだ研究が不足しており、そのことを理解しておかなければなりません。

今回の肝毒性に関する内容に加えて薬物間相互作用にも常に注意しておかなければならないということ、どこまで研究が進んでおり何が不足しているのかを知ること、などはCBDと関わっていくうえで大切なことです。

CBDの薬物間相互作用に関してはまた別の記事で取り上げたいと思います。


次回もまた一緒に勉強していきましょう。

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ここまで見ていただきありがとうございました!