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CBDの継続使用には生殖毒性の危険性がある?性欲・性機能への影響を考える。


こんにちは。ロキ(@rokiroki_univ)です。


CBDには生殖毒性が疑われており、動物実験などでそれを裏付ける研究結果が増えてきています。

今回はCBDの生殖毒性について取り上げた研究の紹介および考察を行いたいと思います。

今回の内容は以下の通りです。

今回の内容
●CBDが男性生殖器に及ぼす影響を調査した研究のレビューについて。

●マウスへのCBDの継続的な暴露による性行動・性機能障害について。

●ラットへのCBDの継続的な暴露による生殖毒性について。

●カンナビノイドが女性の性機能に及ぼす影響を調査した研究のレビューについて。

●CBDが生殖毒性を示唆したという結果についての考察。

CBDについてポジティブな効果が数多く主張される中、CBDが生理活性物質である以上、その毒性試験に関する調査も大切になってきています。

これはCBD利用者の不安をあおるためではなく、安全かつ有意義にCBDを活用できるような環境を願っているために、取り上げた内容です。

CBDが男性生殖器に及ぼす影響を調査した研究のレビューについて。

CBDの男性生殖器に対する影響はいくつか調査されており、簡単なレビューも最近報告されました。
参考文献)Journal of Applied Toxicology, 2020, 40(1), 132.

このレビューでは32の研究が特定され、ヒト、サル、ラット、マウス、ウニに対して主に急性試験もしくは亜急性試験が行われていました。

これらの研究で、CBDの暴露による精巣サイズの減少や精子形成の減少などが観察されたため、CBDが男性の生殖機能に悪影響を及ぼしていると結論づけられています。


では、このレビューで実際に引用されている論文の一部について、要点に絞って紹介します。

マウスへのCBDの継続的な暴露による性行動・性機能障害について。

まず、雄のマウスを利用して継続的なCBD投与による様々な評価数値の変化をみた報告について紹介します。
参考文献)
Journal of Applied Toxicology, 2018, 38(9), 1215.
Reproductive Toxicology 2018, 81, 34.

この実験では、CBD15もしくは30mg/kgをおよそ1カ月間、毎日マウスに投与しました。

その結果、CBD30mg/kgの投与グループで循環テストステロンの総量が76%減少しましたが、生理学的正常範囲(240〜1100 ng/dl)のままでした。

なお、精巣から分泌される代表的な男性ホルモンであるテストステロンは筋トレをしたり子供ができたりすると普通に上下します。


また、CBD30mg/kgの投与グループで精子の形成に関与するセルトリ細胞の有意な減少が見られました。


一方で、CBD15および30mg/kgの投与グループにおいて体重増加と循環プロゲステロン濃度は有意に変化しませんでした。

プロゲステロンはエストロゲンに次ぐ代表的な女性ホルモンの一種です。


しかし、射精の数が減ったり、CBD30mg/kgの投与グループで出生率が30%減少したりと性行動・性機能障害が示唆される結果が得られました。

このように、CBDの慢性暴露は雄マウスの生殖系の機能に影響することを示唆しました。

ただし、マウスの結果は単純にヒトに置き換えられないことに注意してください。

また、回復期間を設けている実験もあるものの、生殖機能への効果の可逆性はまだ十分な研究がされていないようです。※可逆性とは、CBD投与をやめて回復期を経ると正常に戻る性質のことです。

なお、マウスの投与量をヒトへの投与量に変換して肝毒性を考察した研究もあり、過去に紹介しました。

以下の記事で紹介しています。↓

上の紹介論文で利用されていた、マウスへのCBD投与量を人間に置き換えたMEDという尺度を拝借すると、生殖機能障害の兆候があった30mg/kgはおよそヒトで2.4mg/kgです。

これは体重50kgの人で1日あたり120mgのCBDの使用に相当します。

※ただし、この変換は完全に正確というわけでありません。なお、上の紹介論文は生殖機能ではなく肝臓への影響についてのものなので、注意してください。

ラットへのCBDの継続的な暴露による生殖毒性について。

ラットで実施した高用量のCBD抽出物投与試験を紹介します。
参考文献)J. Toxicol. 2018, Article ID: 8143582.

ここでは一日あたり1000および2000 mg/kgのCBDを14日間、反復経口投与(対照群はヒマワリ油を投与)しました。※これ以上の3000~4000 mg/kgでは過剰投与による死亡が見られました。

これらの結果、男性生殖系に関して、精嚢または前立腺での分泌量の減少または欠如が観察されました。

さらに、成熟精子と精子細胞の欠如が観察され、精子形成の強度の低下が示されました。2000 mg/kgの一部では精巣が通常よりも小さかったと報告しています。

一方で、720mg/kgの90日間における経口投与試験では、総精子数、精子形成、精子細胞の割合は投与期間終了時に対照群と類似していました。

なお、「ラット」はこの前に紹介した論文で被験体に利用された「マウス」とは異なることに注意してください。

カンナビノイドが女性の性機能に及ぼす影響を調査した研究のレビューについて。

カンナビノイドが女性の性機能に及ぼす影響について調査した研究のレビューが最近報告されましたが、そのような研究は未だ少ないのが現状です。
参考文献)Sexual Medicine Reviews 2020, 8, 18.

1970年から2019年の範囲での検索で見つかった12のヒト研究では、低用量では一般的に性的欲求を促進するか効果がなく、高用量では阻害するというデータでした。

カンナビノイドは女性の性機能にも影響を与えることが示されているため、追加の研究が必要です。

CBDが生殖毒性を示唆したという結果についての考察。

今回見てきた研究において、たしかに動物ではCBDの悪影響として胚胎児死亡率や精子形成の減少などが示されましたが、基本的にヒトに推奨される用量よりも高い用量での服用でした。

また、ヒトへの生殖機能における慢性毒性に関する研究は圧倒的に不足しており、追加の研究が必要です。


現実的な話として、抗うつ薬であるSSRIは胎児毒性や生殖毒性、性機能障害などが明らかになっているという事実があるにも関わらず、多くのメンタル治療に常用されています。

普及率の高さを考慮すると、SSRIの利用には非常に注意が必要だと考えられます。

また、アルコールも性機能障害が示されています。これらの生殖毒性の問題は深刻であり、CBDなどよりも注目されるべきであることは明らかです。


一方で、CBDはその幅広い有益な効果と指摘されている安全性を考えると、非常に有望な物質だと私は考えています。

また、以下の記事でも説明したように、毒性発現量を薬効量で割った比率を考えても、CBDは非常に優秀です。↓

しかも、ストレスや不安低減のためのCBDの通常使用では非常に低用量でも効果があったため、私はそこまで神経質になることはありませんでした。

なお、私は1日あたりおよそ10mg程度の利用でも十分な効果が得られ、毎日の鬱が改善されました。

なんなら、調子の悪い日だけ利用して生活リズムを整えるだけでも、身体の恒常性の維持に役立ちます。 依存性や離脱症状が感じられないため、減薬もしていけます。

性機能に関しては、二ヶ月ほどの期間、およそ10mgCBDオイルを毎日服用しても変化を感じませんでした。

活動的になり、多少抑制されるように感じたことはありましたが、例えば時間が経つとすぐ戻ります。普通に元気です(笑)。


なお、メンタル疾患に関わる実際の研究をもとにした服用例は他にも、以下の記事で取り上げています。↓


いかがだったでしょうか。


生殖毒性を引き合いに出していたずらに不安をあおるのも間違いですし、CBDはとにかく無毒で安全だと主張するのも間違いです。

大切なのは正しい知識を持って、向き合うことだと思っています。

CBDは良い効果についても悪い効果についてもまだまだ研究が不足しており、そのことを理解しておかなければなりません。


次回もまた一緒に勉強していきましょう。気に入っていただけたらツイッターのフォローもよろしくお願いします。→ロキ(@rokiroki_univ)

ここまで見ていただきありがとうございました!