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CBDでASD(自閉症スペクトラム障害)や生きづらさが改善?【発達障害へのCBDの効果と臨床試験】


こんにちは。ロキ(@rokiroki_univ)です。

今回は発達障害の一種であるASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴や診断基準を解説し、話題のCBDがASDにどのような効果をもたらしているのかについてお話していきたいと思います。そのうえでASDの合併症状としても重要なADHDや抑うつに関しても触れていきます。

今回の内容
●ASDの特徴とADHDやうつ病の特徴は関連性がある。

●ASDの診断基準と症状、およびASD患者の生き方について。

●【CBDとASD】自閉症スペクトラム障害に対するCBDの効果と臨床試験。


ASDは持続的なコミュニケーション障害や限定的な興味・活動が見られる自閉症のことです。ASDは現代では脳に原因のある発達障害であることが明らかになっているため、育て方などの問題ではないと考えられています。

まずはASDの特徴から簡単に説明していきたいと思います。

ASDの特徴とADHDやうつ病の特徴は関連性がある。

ASDは特に子供の頃に症状が顕著であり、成長するにしたがって落ち着いてくることが多いようですが、幼少期のASDでの弊害による影響などが大人になっても続くことがほとんどです。

他の発達障害で代表的なADHDは注意欠如・多動症のことであり、不注意や多動・衝動性の二つの症状が特徴的な発達障害です。ASDとADHDは区別されていますが、症状や治療法、薬の効き方に共通点があることから、臨床研究などでASDの症状を論じるときによくADHDの症状が評価の対象になることがあります。

共通点の多い発達障害・精神障害の発症顕在化の時期は以下のようであると報告されています。
参考文献)Biological Psychiatry 2014, 76, 350.

症状の発症顕在化の時期
・ASD : 幼児期 (およそ1歳~6歳)

・ADHD : 児童期 (小学生時代)

・不安症 : 児童期~思春期 (小学生後半~中学生)

・うつ病や躁病 : 青年期 (中学生以降)

・統合失調症や物質依存 : 青年期 (高校生以降)

これらのほとんどがいずれかは併発しやすい症状と言われており、何らかの関係性が指摘されています。


ASDの共存症としては以下の症状などがあり、ASD診断の評価指標にもなることがよくあります。
参考文献)Lancet 2014, 383, 896.

知的障害、ADHD、チック障害、運動障害、睡眠障害、不安症、うつ病、てんかん、胃腸障害、免疫系障害

このような症状が起こりうることを知ったうえで、早期に発見して発達支援を行うことが重要といえるでしょう。

ASDの診断基準と症状、およびASD患者の生き方について。

ASDには以下の二つの診断基準があると言われています。

1.社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的な障害がある。

2.限定的な反復された行動や興味、活動が見られる。


ASDと診断される子どもの数は世界中で増え続け、この30年ほどで3倍以上になっていると言われています。この理由は議論の余地がありますが、時代の変化も反映しており、現代の情報社会が関連してうつ病患者が増えている可能性があることと関係していると考えられます。


ASDの原因は脳によるものであり、簡単に制御できませんが、その特性は長所にもなり短所にもなると言われています。

例えば「みんなと一緒に何かするのは苦手」ということは「人の意見に左右されない」と言い換えることができますし、「好きなことはなかなかやめられない」ということは「好きなことへの集中力が極めて高い」と言い換えることもできます。

このように短所を長所のように変換して生かしていくことができると、非常に強みにもなると言えます。治すことを考えるよりも、まず発達障害に向き合い、上手く付き合っていくことを考えていくことが大切です。

【CBDとASD】自閉症スペクトラム障害に対するCBDの効果と臨床試験。

自閉症スペクトラム(ASD)は現在の標準薬などによる標準治療ではあまりうまくいかない典型的な症状です。

そして、ASDはADHDやうつ病、てんかん等のような様々な病気と合併しやすいため、これら多くの症状に作用する医療大麻(カンナビノイド)、CBD(カンナビジオール)はASDにもってこいの選択肢であり、将来の治療薬としても有望視されています。

実際に最近の研究レビューでCBD(カンナビジオール)はASD治療薬の候補として可能性が示されています。

ASDに対する大麻やCBDの効果について。

大麻には、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、テルペノイドなど、化学的に活性な化合物が数多く含まれています。

THCは中枢神経系の内因性カンナビノイドシステムを活性化し、食欲、不安、認知機能、および記憶に影響を与えます。

対照的に、CBDは抗不安薬、抗炎症薬、制吐薬および抗精神病薬のような作用があると言われています。CBDの抗不安作用はASDやADHDに効果があると言われており、特に注目されています。

CBDを含有する大麻がASDの子供に見られる自傷行為を減少させたという強力な事例証拠もあります。

専門的な内容
2013年に報告されたASDのマウスモデルの研究では、ASDの原因において内因性カンナビノイドシステムの関与が実証されています。
参考文献)Neuron 2013, 78, 498.

また、CBDは直接カンナビノイド受容体に作動薬として作用せず、内因性カンナビノイドを分解する酵素の働きを阻害することで間接的にカンナビノイド受容体を活性化させると言われています。

ある動物実験では内因性カンナビノイドであるアナンダミドを分解する酵素の働きを阻害すると反社会的行動が改善されたという報告があります。
参考文献)Brain Behavior and Immunity 2016, 58, 237.

これはCBDが自閉症に効果がある可能性を示唆しています。

【CBDオイルとASD】150人規模の臨床試験報告。

ASDの子供約150人に対してCBDオイルの口腔内投与を行い、症状への効果を調べた臨床研究が2019年に報告されました。
参考文献)Scientific Reports 2019, 9, Article number: 200.
DOI:10.1038/s41598-018-37570-y

使用したCBDオイルはCBD:THCがおよそ20:1のCBDオイルでした。そのため多少はTHCの影響があり、アントラージュ効果も考えられますが、メインはCBDの効果を評価するのが目的です。

調査に参加したのは平均13歳の男子で、CBDオイルの用量に関してはCBD15mgを1日3回舌下投与するところから開始し、親の判断で増減することにしました。

この研究はCBDオイルをASDの子供に投与した親の記録をもとに行われ、治療開始前および治療開始から1ヶ月後と半年後にアンケートが実施されました。188人のうち半年後も治療を継続した155人(82%)の中の6割がアンケートに協力しました。

六か月時点での変化における結果は以下の通りで、信頼性の高いものにしぼって取り上げました。※報告した人数が多い、あるいは症状に変化があって一貫性がある項目。

ASD共存症(報告数)症状消失(人数[%])改善(人数[%])変化なしor悪化(人数[%])
落ち着きのなさ(79人)1人 [1.2%]71人 [89.8%]7人 [8.8%]
怒り発作(73人)1人 [1.3%]65人 [89%]7人 [9.5%]
動揺・興奮(68人)1人 [1.4%]57人 [83.8%]10人 [14.7%]
睡眠障害(46人)9人 [19.5%]27人 [58.6%]10人 [21.7%]
発話障害(50人)0人 [0%]15人 [30%]35人 [70%]
認知障害(55人)0人 [0%]15人 [27.2%]40人 [72.7%]
不安症状(27人)0人 [0%]24人 [88.8%]3人 [11.1%]
けいれん(13人)2人 [15.3%]11人 [84.6%]0人 [0%]
便秘(9人)1人 [11.1%]6人 [66.7%]2人 [22.2%]
チック(5人)1人 [20%]4人 [80%]0人 [0%]
消化不良(8人)1人 [12.5%]5人 [62.5%]2人 [25%]
抑うつ(5人)0人 [0%]5人 [100%]0人 [0%]


落ち着きのなさ、怒り発作、不安症状、けいれん、チック、抑うつに関しては約90%以上の人が改善したと回答しました。また、睡眠の質の改善や集中力の向上により日常生活の質の改善も確認されました。

なお、副作用は約25%が報告しており、落ち着きのなさ、眠気、興奮、消化器症状、食欲の変化、口渇などが一時的に認められました。

【高CBDのカプセルとASD】CBD経口投与による小規模臨床研究報告。

さらにその後、標準化されたCBD強化エキス(CBDとTHCの比率が75:1)をカプセル化して経口投与する治療を受けた18人の自閉症患者群による臨床研究報告がありました。
参考)Front. Pharmacol 2019, 10, Article: 1145.
https://doi.org/10.3389/fneur.2019.01145

調査に参加したのは7~18歳の男女で、CBDの用量は平均して4.6 mg / kg / dayでした。参加した18人のうち15人が六か月間もしくは九か月間の治療期間を終え、結果を報告しました。

治療を順守した15人の患者のうち、10人が非てんかん患者で5人がてんかん患者でした。

この研究でもCBDをASDの子供に投与した両親の記録をもとに行われました。結果は以下の通りでした。

ASD共存症(報告数)50%~100%改善(人数[%])10~40%改善(人数[%])改善なし(人数[%])
ADHD(15人)3人 [20%]10人 [66.7%]2人 [13.3%]
行動障害(15人)1人 [6.7%]10人 [66.7%]4人 [26.7%]
運動障害(12人)1人 [8.3%]9人 [75%]2人 [16.7%]
発話障害(15人)2人 [13.3%]9人 [60%]4人 [26.7%]
認知障害(15人)1人 [6.7%]12人 [80%]2人 [13.3%]
睡眠障害(12人)6人 [50%]6人 [50%]0人 [0%]
けいれん(5人)5人 [100%]0人 [0%]0人 [0%]

顕著な改善はすべての症状でみられました。

一人当たり複数の項目での改善が見られ、明らかに有意な結果が得られました。特に睡眠障害とけいれんでは顕著な結果が見られ、過去の研究を裏付ける結果にもなりました。ADHDでも明らかに多くの人で有意な改善が見られました。

なお、副作用は眠気、過敏性、下痢、食欲増進などが見られ、これらすべて軽度または一時的なものでした。


この研究では、対照群の欠如や規模の小ささなどの問題点があるため、さらなる臨床試験が必要ではありますが、実際に非てんかん患者でも複数のASD症状が改善し、ASD患者と介護者の両方の生活の質も大幅に改善したことが示され、CBDの有望な結果が得られています。




いかがだったでしょうか。

発達障害や精神障害に対するCBDの研究はいまだ発展途上ですが、安全性の高いCBDは有望な選択肢として挙げられるでしょう。実際に私自身も利用していますが、その有益性を実感しています。

ここで紹介した研究は対照群が設定されていない点や判断を親に任せている点など厳密性に欠ける部分があるのは事実ですが、ASDでこれほど治療に有望な選択肢はあまり見たことありません。今後の研究の進展に期待がされます。


「CBDと発達障害」における、より詳細なレビューや解説、また、その他のCBDの効果・作用に関するまとめなどについては、以下の記事で網羅的にまとめました。さらに詳しくCBDについて知りたい方には必見の内容となっているので、参照していただけたら幸いです。(※前編と後編に分かれていて書籍並みのボリュームになっていますが、無料公開している最初のまとめ部分だけでも有益な内容になっているかと思いますので、是非のぞいてみてください。


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