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てんかん治療から学ぶ薬の臨床試験とCBDオイルの効能。わかりやすく解説。


こんにちは。ロキ(@rokiroki_univ)です。


今回はCBDを語る上で欠かせない内容を取り上げます。

CBDはてんかん発作への有益な効果で大きなブレイクスルーがあり、日本でもCBDの難治性てんかんへの効果が注目されています。

今回はCBDの抗てんかん作用を調査した臨床試験について解説し、基本的な臨床研究の見方やそこから分かるCBDの効果に対する考え方を説明していきます。

今回の内容
●てんかん発作へのCBDの医療効果を示した番組『WEED』が大麻合法化の波を後押しする。

●てんかん治療から学ぶ薬の臨床試験とCBDオイルの効能。
・CBDによる痙攣発作の抑制。【ドラベ症候群の臨床試験】
・臨床試験における4つのバイアスの問題。
・CBDによる転倒発作の抑制。【レノックス・ガストー症候群の臨床試験】

てんかんは発作を繰り返す脳の慢性疾患と言われています。

てんかんにあまり馴染みのない方でも、CBDにおいて最も研究が進んでいる抗てんかん作用について学ぶことはCBD利用者であれば必須と言えるでしょう。

例えば、今後CBDをさらに理解していく上での考え方のヒントになるかもしれません。

また、発達障害とてんかんのメカニズムは似ていることから、関連性があると言われています。実際にCBDは発達障害にも有効性が示されています。

てんかん発作へのCBDの医療効果を示した番組『WEED』が大麻合法化の波を後押しする。

2013年にアメリカのテレビ局CNNが放映した番組『WEED』が全米を騒然とさせました。

以下がその内容です。

この番組の主人公は、週に300回以上のけいれん発作に苦しみ、心肺停止にまで陥ったことのある女の子でした。

彼女はドラべ症候群という難治性てんかんでした。強い副作用のある複数の薬を投与しても、どれも成果はありませんでした。

そんななか、両親が藁にもすがる思いで手に入れた高濃度CBD品種の大麻を彼女に使用したところ、発作がほとんど治まったのです。

この事実は全米に影響を与え、大麻合法化の波を大きく後押ししていくことになります。

このような影響もあり、その後、CBDのてんかんに対する有用性を調査するためのいくつかの大規模臨床試験が行われました。

てんかん治療から学ぶ薬の臨床試験とCBDオイルの効能。

2015年、てんかんの子を持つ親117名を対象に行った調査では、85%の回答者が子供の発作頻度が減ったと答え、14%が発作が完全に無くなったと答えました。
参考文献)Epilepsy & Behavior 2015, 47, 138.

さらにその後、非常に権威の高い雑誌『New England Journal of Medicine』において、難治性てんかんに関するCBD試験の重要な結果が2017年および2018年に報告されました。

ではどのような結果であったのか。詳しく説明していきたいと思います。

ここで使用されたのは「エピディオレックス」という大麻草由来の10%CBDオイルで、ハイになる成分のTHCをほとんど含まないものでした。 なお、一方でCBDだけでなく微量のTHCが含まれている方がより効果的であったという実験結果も他の研究で報告されています。

CBDによる痙攣発作の抑制。【ドラベ症候群の臨床試験】

2017年、ドラベ症候群の患者120人に対して「ランダム化二重盲検プラセボ比較対照試験」を実施しました。
参考文献)N. Engl. J. Med. 2017, 376, 2011.

ドラべ症候群は全身けいれん発作などを繰り返す指定難病であり、高い死亡率を伴う難治性の小児てんかん障害です。ほとんどの場合、一歳までに発症し、その後も発作を繰り返します。

まずはこのドラべ症候群の患者に対するCBDの効果を調査した臨床試験について解説していきます。

なお、「ランダム化二重盲検プラセボ比較対照試験」とは以下のような試験を言います。

「プラセボ比較対照試験」とは患者たちを対照群と薬物群に分け、対照群にはプラセボ(偽薬)を薬物群には実薬(CBD)を投与して比較試験を行うことである。

※プラセボとは色や形は実薬と同じでも薬としての有効成分がない「偽薬」のことである。

「ランダム化」とはくじ引きなどのようにランダムに患者を対照群と薬物群へ振り分けることを意味する。

「二重盲検」とは患者も医師もそれぞれがどの群に振り分けられたか分からないようにしていることを意味する。

このランダム化二重盲検比較対照試験は薬の有効性を最も厳格に調べる方法だと言われています。

ところが、理解しておかなければならないのが、それでも多くの偏り(バイアス)を避けることができないということです。

そのため、一つの研究ではなく、多くの類似臨床研究を集めてまとめたシステマティックレビューが実際には最も信頼性の高い評価材料となります。

CBD臨床試験の流れ。【ドラベ症候群】

試験で行われた手順は以下の通りです。

(1) 4週間のベースライン期間(参加者の選定のための期間) 177人
この期間にひとつ以上の抗てんかん薬を服用して4以上のけいれん発作があると適格とした。
→177人のうち120人が適格となり、不適格となった57人が離脱

(2) 14週間の治療期間(2週間の用量漸増+12週間の用量維持) 120人
参加者の120人はランダムでプラセボ群59人と10%CBDオイル群(=CBD群)61人に割り当てられた。安定している抗てんかん薬の摂取に加えて、それぞれプラセボもしくはCBDオイルが投与された。

条件は以下の通り。

・年齢2〜18歳(平均9歳) 52%が男。
※使用していた抗てんかん薬の種類において、人数の割合
クロバザム65%
バルプロ酸59%
スチリペントール42%
レベチラセタム28%
トピラマート26%


・最初の2週間で20mg/kg/dayまで用量を増やした。(1日2回に分けて投与)
※エピディオレックスは2.5mg/kgから始めることが多い。

・評価は2、4、8、14週間後。

・早期中止者は減薬期間の終わりに評価。

治療期間中には以下のように離脱者があり、治療期間終了時には108人になった。
・CBD群61人→9人離脱 うち8人は副作用が理由で離脱
・プラセボ群59人→3人離脱 うち1人は副作用が理由で離脱

(3) 10日間の減薬期間 108人
毎日10%ずつ10日間で用量を漸減した。

・CBD52人→1人が減薬中に副作用のため離脱
・プラセボ56人→離脱者なし

CBD臨床試験の結果。【ドラベ症候群】

結果の主要評価項目は14週治療期間中のけいれん発作において、4週間ベースラインからの28日間あたりの変化率としました。

けいれん発作頻度の変化は以下のようになりました。

CBD群12.4回→5.9回
プラセボ群14.9回→14.1回

なお、有意な差が現れたのは維持期間の最初の月、つまり治療期間開始後2週間〜6週間で、けいれん発作頻度は以下のような変化になりました。
CBD群12.4回→5.0回
プラセボ群14.9回→13.0回

このように、けいれん発作ではCBDで明らかに有意な減少が見られました。発作が完全に止まった者もCBD群のみで3人いました。

一方で、非けいれん発作ではプラセボと比較して有意差はありませんでした。もしくは、親が気づきにくく、カウントが正確でなかった可能性もあります。

CBD臨床試験の有害事象。【ドラベ症候群】

副作用については以下のような症状がありました。

傾眠・眠気、食欲減退、下痢、疲労、嘔吐、倦怠感・無気力、けいれん、発熱、肝臓異常


CBD群61人、プラセボ群59人のうち、副作用があった人数は以下の表のようになりました。

各症状CBD群(人)プラセボ群(人)
傾眠226
食欲減退173
下痢196
疲労122
嘔吐93
倦怠感83
痙攣73
発熱95
肝臓異常121

最も多い「傾眠」ではほとんどの人が抗てんかん薬のクロバザムを利用していました。

「肝臓異常」とは肝臓アミノトランスフェラーゼ酵素レベルの上昇を示しており、抗てんかん薬のバルプロ酸を利用していた人のみで見られました。

しかし、服用を続けていると酵素レベルの増加がほぼ解消されました。すなわち、可逆性があり、肝臓に対する一時的な代謝ストレスの可能性あります。

CBD臨床試験における副作用の考察。【ドラベ症候群】

抗てんかん薬には「肝障害、傾眠、無気力、睡眠障害、行動障害」などの副作用があり、このような副作用がCBDとの薬物間相互作用で助長された可能性があります。

また、肝障害の代表的な症状には「腹痛、食欲減退、体重の変化、無気力・倦怠感、発熱、吐き気・嘔吐、かゆみ」などがあります。

つまりどの副作用の症状もCBDと抗てんかん薬との薬物間相互作用による影響(肝障害の相乗効果など)が関与していると考えられ、純粋なCBDの副作用と言うことは難しいと言えます。

以下の記事も参照ください。↓

臨床試験における4つのバイアスの問題。

臨床試験において、バイアスに関して触れたり言及したりすることはその論文の誠実性や価値を上げるといえます。

この点を曖昧にし、厳密さが疎かになっていると権威の高いジャーナルに論文投稿するのは難しいといえます。

ここでは、臨床試験における代表的なバイアスを4つほど紹介します。

・選択バイアス

・観察バイアス

・解析バイアス

・出版バイアス

選択バイアス

まず、選択バイアスとは、臨床試験の対象患者を意図的に選んだり分けたりすることで生じるバイアスです。

例えば、症状が重めの患者を実薬群に、軽めの患者をプラセボ群に割り当てようとすることです。

こんなことをすると結果が偏るのは当たり前で、これがランダムで割り当てる理由になります。

観察バイアス

次に観察バイアスです。効果を判定する観察者の思い込みによって生じるバイアスになります。

症状を評価するとき、どうしても医師は実薬を投与してる患者の方が良くなっていると考えがちであったりします。

これはよくある人間の心理で、ほとんど無意識のつもりでもバイアスがかかったりします。

これを避けるのが二重盲検法になります。

これで観察者も被験者もどちらの薬が投与されているかわからないため、このようなバイアスを避けられます。

解析バイアス

解析バイアスは試験終了後に結果を解析する際に生じるものです。

例えば、途中で試験をやめた患者を全体から除外するとバイアスになります。

実薬群において症状が良くならなくて途中で試験を脱落した人が多かった場合、それを除外すると実薬を過大評価してしまいます。

出版バイアス

また、臨床試験が行われたにもかかわらず、都合の悪い結果だから公表を控えてしまうことがあります。

こうなると、臨床試験全体の結果が歪んでしまいます。これが医学雑誌への投稿における出版バイアスとなります。

とにかく、行われた臨床試験は全て公表されて然るべきなのです。

うまくいかなかった試験がボツにされて論文として投稿されなかった場合、あたかも全ての試験がうまくいったかのような印象を与えてしまうのです。


はっきり言って、バイアスはこれだけではありません。それだけ医学研究には誠実さが求められ、それを評価する側や読む側には注意深さが求められるのです。

CBDによる転倒発作の抑制。【レノックス・ガストー症候群の臨床試験】

2018年には、レノックス・ガストー症候群の患者225人に対して「ランダム化二重盲検プラセボ比較対照試験」が実施されました。
参考文献)N. Engl. J. Med. 2018, 378, 1888.

レノックス・ガストー症候群は重度のてんかん性脳症であり、8歳までに発症することが多く、その90%以上が成人になっても症状が続きます。特徴的なてんかん発作が何種類も発症し、知的障害もほぼ全例に出現する疾患です。

ここではレノックス・ガストー症候群の患者に対するCBDの効果を調査した臨床試験について解説していきます。

CBD臨床試験の流れ。【レノックス・ガストー症候群】

試験で行われた手順は以下の通りです。

(1) 4週間のベースライン期間(参加者の選定のための期間) 293人
この期間にひとつ以上の抗てんかん薬を服用して、毎週1週間のうち2以上のけいれん発作があると適格とした。
→293人のうち225人が適格となり、不適格となった68人が離脱

(2) 14週間の治療期間(2週間の用量漸増+12週間の用量維持) 225人
参加者の225人はランダムでプラセボ群76人と、一日当たり10mg/kgまたは20mg/kgの10%CBDオイル投与群73人および76人(それぞれCBD10群およびCBD20群)に割り当てられた。安定している抗てんかん薬の摂取に加えて、それぞれプラセボもしくはCBDオイルが投与された。

条件は以下の通り

・年齢2〜55歳(平均15〜16歳) 57%が男。
※使用していた抗てんかん薬の種類において、人数の割合
クロバザム49%
バルプロ酸38%
レベチラセタム31%
ラモトリジン30%
ルフィナマイド29%


・最初の2週間で2.5mg/kgから始めて、1日あたり均等量ずつ増やしていき、10または20mg/kg/dayまで用量を増やした。(1日2回に分けて投与)
※ここでCBD10群から6人がやむを得ず一時的に基準を超えた用量にした。

・評価は2、4、8、14週間後。

治療期間中には以下のように離脱者があり、治療期間終了時には212人になった。
・CBD20群76人→9人離脱 うち6人は副作用が理由で離脱
・CBD10群73人→2人離脱 うち1人は副作用が理由で離脱
・プラセボ群76人→2人離脱 うち1人は副作用が理由で離脱

(3) 10日間の減薬期間完了 212人
10日間で用量の漸減を完了

CBD臨床試験の結果。【レノックス・ガストー症候群】

結果の主要評価項目は14週治療期間中の発作において、4週間ベースラインからの変化率(28日間の平均)としました。

結果は以下の通りです。

●転倒発作頻度のベースラインからの減少率(中央値)
CBD20群41.9%
CBD10群37.2%
プラセボ群17.2%

・転倒発作頻度がベースラインから少なくとも50%減少した患者の割合
CBD20群39%
CBD10群36%
プラセボ群14%

・転倒発作頻度がベースラインから少なくとも75%減少した患者の割合
CBD20群25%
CBD10群11%
プラセボ群3%


●発作全体のベースラインからの減少率(中央値)
CBD20群38.4%
CBD10群36.4%
プラセボ群18.5%


●転倒発作以外の発作のベースラインからの減少率(中央値)
CBD20群54.6%
CBD10群61.1%
プラセボ群34.3%


◎介護者の全体的な印象で少なくとも改善したとみられた患者の割合
CBD20群57%
CBD10群66%
プラセボ群44%

以上より、CBDがプラセボよりも明らかに転倒発作の頻度を大幅に減少させることを示しました。しかもその他の発作頻度も大幅に減少させました。

なお、発作が完全に止まった者はCBD群で8人、プラセボ群で1人でいました。

プラセボとの比較による実薬(CBD)の効果の実力を示す指標

プラセボと比較したときのくすりの実力を示す指標にNNT(必要症例数)というものがあります。

NNTの計算法は、試験薬による改善者の割合(改善したヒトの数の割合)からプラセボによる改善者の割合を引いた数字の逆数となります。

例えば、転倒発作頻度が50%以上減った患者の割合で計算すると、CBD20群で39%-14%=25%の逆数をとって1/0.25=4でNNTは4となります。(CBD20群で39%、プラセボ群で14%という結果より)

ポイント

このNNTの数字が意味するのは「ある効果を得る患者を1人増やすために、何人の患者を必要とするかを示すもの」ということになります。

数字が小さいほど実力があり、プラセボとの差も大きくなります。

同様にCBD10群だと、NNTは5となります。

また、75%以上の発作頻度の減少だと、CBD20群でNNTは5、CBD10群でNNTは13となります。

NNTが4や5というと、素人には数字が大きいように見えるかもしれません。

しかし、もちろん疾患にもよりますが、難治性てんかんの発作に対してこの4や5という数字は素晴らしい結果と言えます。

異なる疾患で薬のNNTを比較するのは、かなり大胆なことではありますが、そういった論文を発表した研究者もいます。

急性の症状に使用する薬はNNTが低くなりやすく、2〜3となります。やや治りやすい急性あるいは慢性の症状はNNTが4〜6くらいになります。

アスピリンでの痛みの半減におけるNNTは4くらい
とされています。
参考文献)Br. J. Clin. Pharmacol. 2007, 63, 271.

これは意外に感じた方が多いのではないでしょうか。アスピリンはバファリンなどの成分としても有名です。

そうです、私たちはプラセボ効果による影響を殆どの場合において受けているのです。


強調しておきますが、難治性てんかんに対して従来の抗てんかん薬はほとんど効果を見込めませんでした。

ただし、NNTは完璧な指標ではありません。

例えば副作用です。NNTが小さいとその分副作用が大きくなることがしばしばあります。

また、NNTだけではプラセボの実力はわかりません。

例えば、プラセボによって改善した人が50%いて、試験薬によって改善した人が70%いたとするとNNTは5です。一方で、プラセボによる改善が5%いて、試験薬による改善が25%でもNNTは5です。

前者だと、精神療法や自然治癒による回復がありうるので、様子を見てみようということになるかもしれません。後者だと、薬で少しでも良くなる可能性があるならと薬を使用することになるかもしれません。

このように同じNNTでも差があり、特に「副作用」と「プラセボの実力」の2点に関しては注意すべきでしょう。

CBD臨床試験の有害事象。【レノックス・ガストー症候群】

副作用については以下のような症状がありました。

傾眠・眠気、食欲減退、下痢、嘔吐、発熱、肝臓異常

CBD20群82人、CBD10群67人、プラセボ群76人のうち、副作用があった人数は以下の表のようになりました。※ここでは、CBD10群の6人で一時的に用量が増えたことを考慮して、CBD10群の6人をCBD20群として数えています。

各症状CBD20群(人)CBD10群(人)プラセボ群(人)
傾眠25144
食欲減退21116
下痢1276
嘔吐1049
発熱10612
肝臓異常1130

表の結果を見ると少量のCBDなら抑制できる可能性のある副作用として嘔吐、発熱があげられます。

「肝臓異常」とは肝臓アミノトランスフェラーゼ酵素レベルの上昇を示しており、最大で正常範囲の3〜12倍でした。異常はCBD20群で11人、CBD10群で3人でみられ、抗てんかん薬のバルプロ酸を利用していた人がそれぞれの群で9人、2人いました。

CBD服用群で肝酵素レベル上昇の肝障害を示したのは14人/149人なので、CBD投与者の9%でした。

しかし、それぞれ治療期間中、もしくは減薬、断薬の段階で酵素レベルの増加がほぼ解消されました。すなわち可逆性があり、肝臓に対する一時的な代謝ストレスの可能性あります。


さらに、これらの範囲は重篤な薬物誘発性肝障害の基準を満たしていませんでした。

専門的なお話
CBDとバルプロ酸の薬物間相互作用は薬物動態学的ではなく、薬力学的であることが示唆されています。つまり、CBDにより肝臓酵素活性が阻害されて吸収や代謝、排泄機能に異常が起こることで、バルプロ酸の血中濃度が変化して効果・副作用の増減が起きるのではなく、受容体などの作用部位での相互作用、薬効の重複などによって、効果・副作用の増減が起こるといえます。

CBD臨床試験における副作用の考察。【レノックス・ガストー症候群】

前述したように、抗てんかん薬には「肝障害、傾眠、無気力、睡眠障害、行動障害」などの副作用が考えられ、このような副作用がCBDとの薬物間相互作用で助長される可能性があります。

また、CBDは肝酵素阻害により抗てんかん薬のクロバザムの血中濃度を高めた可能性が高いと指摘しています。なお、患者の約半数がクロバザムを併用していました。

また、肝障害の代表的な症状には「腹痛、食欲減退、体重の変化、無気力・倦怠感、発熱、吐き気・嘔吐、かゆみ」などがありますが、バルプロ酸とCBDの肝臓への副作用の相乗効果によって、これらの症状が生じている可能性があります。


いかがだったでしょうか。

今回の記事を読んで、CBDの発作への治療効果の明らかな有用性、そして臨床試験の基礎について理解が深まったのであれば嬉しいです。

ここまでお付き合いしていただき、ありがとうございました。

次回もまた一緒に勉強していきましょう。気に入っていただけたらツイッターのフォローもよろしくお願いします。→ロキ(@rokiroki_univ)

ではでは。