こんにちは。ロキ(@rokiroki_univ)です。
今回は大麻やCBDに関わる研究者が将来、ノーベル医学生理学賞を受賞するかもしれないということについてお話します。
今回お話する大麻研究とノーベル賞の接点はめちゃくちゃ面白いです。
以前、以下のようなツイートしました。
大麻の研究者は将来、ノーベル医学生理学賞を取る可能性が間違いなく高いです。 理由はいくつかあります。まず、そもそもGタンパク質共役型受容体に関する研究で過去にいくつもノーベル賞が出ています。 その上で、医療価値やその他の価値などが大きいとなると、もはやノーベル医学賞レベルです。
もしも大麻(=カンナビス)が様々な難病の患者を救うということが世界で認められ、科学的な裏付けもされたらどうなると思いますか。
大麻が多くの難病や精神疾患に効く可能性があるということは過去の記事
「CBDオイルとは」
「CBDや大麻におけるWHOや専門家の見解」
などでも説明しましたが、今回は科学的な観点からその価値を見ていきましょう。
今回の内容は以下の通りです。
大麻の医学的研究がもたらしてきた影響力。
大麻(カンナビス)の研究による発見が多くの人の命や生涯に多大な影響を与えてきました。ここで言う研究とは、いちるの望みにかけて大麻を使用して効果を得た症例もその人の立派な臨床研究の一例だと考えています。
カンナビスの利用が、さまざまな重病患者や精神疾患に苦しむ人のクオリティオブライフを向上し、難治性てんかんによる発作を鎮め、皮膚がんや脳腫瘍を完治させる実例までもたらしました。
そして、直近50年で多くのカンナビスに関する研究が進み、多数の疾患に有効であることが証明されてきました。
以下のグラフのように大麻草の医学研究の論文は1990年代から現代にかけて急激に伸びてきています。※下図中のカンナビノイドとは大麻草の重要な薬効成分のことで、THCやCBDもカンナビノイドに含まれます。カンナビジオールはCBDのことです。
上のグラフについて、まず1960年代から論文数が増えているのは大麻草の薬効成分のカンナビノイドの発見により、それらの構造や薬効の研究が始まったからです。
1970年代の途中から論文数が減少したのは、薬物乱用に関する全米学会(NIDA)とアメリカ麻薬取締局(DEA)が大学機関や連邦保健機関が大麻草を研究することを事実上禁止にしたからです。
なお、これらの大麻禁止の歴史に関することは
「なぜ大麻は違法なのか」
で紹介していますので、気になる方は見てみてください。
1990年代から医学研究の論文が急激に伸びているのは1990年代頃にカンナビノイド受容体CB1、CB2がヒトの神経細胞などで発見され、さらにその後、内因性カンナビノイドが見つかり、内因性カンナビノイドシステム(エンド・カンナビノイド・システム)の重要性が明らかになったためです。
受容体CB1、CB2や内因性カンナビノイドシステムなどに関して知りたい方は「エンドカンナビノイドシステムとは」を参照ください。
大麻に医療用途がある科学的な根拠。
大麻の薬効成分が関与するカンナビノイド受容体CB1やCB2はGタンパク質共役型受容体(GPCR)という種類の受容体に分類されます。
この受容体GPCRは難しそうな専門用語ですが、これから簡潔に説明するので詳しくなくても大丈夫です。
GPCRは多くの種類があり、匂い・味・光などの刺激や神経伝達物質・ホルモンなどの刺激を感知し、細胞内に伝達する働きをしています。
GPCRは多様な生理機能に関与しており、医薬品の半数近くがGPCRに作用することで薬理作用を示すと考えられているため、GPCRは医薬品開発において極めて重要であるとされています。
大麻草に含まれている成分が特異的に作用するGPCRが実際に生体内に存在し、体の生理機能に影響を及ぼすということは、大麻に医療用途がないという主張を否定できる科学的根拠になります。
大麻研究とノーベル賞の接点。
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)に関与する研究では過去に多くのノーベル賞が授与されています。
以下に実際にノーベル賞が与えられたいくつかの研究例を挙げます。
GPCRに作用する情報伝達物質の発見やその情報伝達に関する研究
GPCRのひとつである嗅覚受容体の発見とその機構の解析に関する研究
GPCRをターゲットにした医薬品の開発研究
GPCRの詳細な構造を解明した研究
このように数多くのノーベル賞がGPCRに関わる研究で授与され続けています。
最後の例に挙げた「GPCRの詳細な構造を解明した研究」は2012年のノーベル化学賞で、ご存知の方も多いかもしれません。
このように、大麻の成分が関与するカンナビノイド受容体が多様な生理機能に関与するGPCRであること、そして大麻が多くの難病治療に役立ち、多大な影響を与えてきたことなどを考慮して、大麻の研究はノーベル賞をもたらす価値のある研究だと私は考えています。
最もノーベル賞候補としてふさわしいだろうと言われているのがイスラエルのラファエル博士です。
博士は1964年に大麻草の薬効成分である重要な植物性カンナビノイドTHCを分離・同定し、その後には内因性カンナビノイドも発見し、内因性カンナビノイドシステムの解明に貢献しました。
まさにカンナビス研究のゴット・ファーザーとも言えます。
「Nobel Prize for Raphael Mechoulam」というキャンペーンサイトも存在するほどです。※国際ユダヤ大麻協会より
いかがだったでしょうか。
この記事をきっかけに少しでも多くの方がカンナビスの面白さに触れていただけたのであれば幸いです。
さらに、CBDや大麻について詳しく知りたいという方のために、以下のリンク先で網羅的にまとめているので、参考にしてみてください。↓
【CBDについて】その特徴と歴史を徹底解説|ロキ – CBDカウンセリング|note
今回の参考書籍は以下の『医療大麻の真実』です。
●大麻に医療用途がある科学的な根拠。
●大麻研究とノーベル賞の接点。